Happy Tent
マティアス・ピニェイロ映画祭
2014年9月27日(土)、28日(日)
会場:アップリンク
2014年のロカルノ映画祭で新作「フランスの王女」が発表されたマティアス・ピニェイロ監督の4作品を特集。
作品ごとにスタイルを進化させ、新たな表現を獲得してきたアルゼンチン映画の若き才能の軌跡を一挙紹介!
ピニェイロ監督も来日し、熱気に包まれたQAやアルゼンチン映画史のレクチャーも開催しました。
<上映作品>
■盗まれた男
El hombre robado
2007(91分)ブルーレイ上映
監督・脚本:マティアス・ピニェイロ 撮影:フェルナンド・ロケット
出演:マリア・ビジャール、フリア・マルティネス・ルビオ、ロミーナ・パウラ
作家でありアルゼンチンの大統領も務めたサルミエントの著作「ファクンド−文明と野蛮」などに着想を得たピニェイロの長編デビュー作。博物館のガイドとして働くメルセデスは、親友の婚約者の浮気を疑い、ある策略をめぐらす。ブエノスアイレスを舞台に、モノクロの16ミリフィルムで撮影された愛と不実をめぐる物語。チョンジュ国際映画祭でグランプリを受賞。
■みんな嘘つき
Todos mienten
2009(75分)ブルーレイ上映
監督・脚本:マティアス・ピニェイロ 撮影:フェルナンド・ロケット
出演:ロミーナ・パウラ、マリア・ビジャール、フリア・マルティネス・ルビオ
辺鄙な田舎の一軒家に、著名なアルゼンチンの歴史家の末裔と思われる若いアーティストのグループが集う。彼らは共に語らい、酒を飲み、愛し合い、音楽を楽しみ、芸術作品を偽造し、互いを監視し、陰謀を張りめぐらせる。複雑に交錯する予測不可能な物語を、巧みな映像表現で紡ぎだした長編第2作。『盗まれた男』に続き、サルミエントの著作から想を得ている。
■ロサリンダ
Rosalinda
2010(43分)ブルーレイ上映
監督・脚本:マティアス・ピニェイロ 撮影:フェルナンド・ロケット
出演:マリア・ビジャール、アルベルト・アハーカ、アグスティーナ・ムニョス
シェイクスピアの翻案シリーズ第一弾。「お気に召すまま」のリハーサルのために、俳優たちがティグレの島を訪れる。眩しい陽光と豊かな自然に恵まれた環境の中、役柄と自身との境を次第に曖昧にしていく若き俳優たち。チョンジュ・デジタル・プロジェクトからの委託で制作。フェルナンド・ロケットの流麗な撮影が美しい。
■ビオラ
Viola
2012(63分)ブルーレイ上映
監督・脚本:マティアス・ピニェイロ 撮影:フェルナンド・ロケット
出演:マリア・ビジャール、アグスティーナ・ムニョス
ピニェイロ作品の常連マリア・ビジャールが、主人公ビオラを演じる。ボーイフレンドとはじめたビジネスのためにブエノスアイレスの街を自転車で走り回るビオラと、シェイクスピア作「十二夜」の演劇にとりくむ女性たち。彼女たちとの出会いが、ビオラの生活にある変化をもたらす。その独自の映像スタイルが際立つピニェイロの長編第4作。
■監督紹介
マティアス・ピニェイロ Matías Piñeiro
1982年、ブエノスアイレス生まれ。 国立映画大学で映画を学び、後に同校で教鞭もとる。長編デビュー作の『盗まれた男』(2007)でチョンジュ国際映画祭グランプリを受賞し、その後の『みんな嘘つき』(2009)『ロサリンダ』(2010)『ビオラ』(2012)はベルリン、ロカルノ等の国際映画祭でも上映。ニューヨークのリンカーン・センターやトロント国際映画祭ではレトロスペクティヴ(特集上映)も行われた。日本では、今年2月の恵比寿映像祭で『盗まれた男』が上映。シェイクスピアの翻案シリーズ「The Shakespeariada」に取り組み、その最新作となる『フランスの王女』が今年のロカルノ国際映画祭のコンペティション部門に選出された。