Happy Tent
TKY 2015 参加作家作品上映会
東京のある街/エリアをテーマとして、人々や街、そこにある文化について掘り下げていきながら、街に潜む言葉に出来ないにおいや気配を、
ひとつの「場所」に広がるひとつの物語として6名の作家が短編映像を制作するプロジェクト「TKY2015」。
制作開始を目前に、3月14日・15日に映画美学校で参加監督の過去作品を一挙上映!
日本の気鋭の若手作家6名の作品が一気に観られます! 両日とも、上映終了後に作家によるQ&Aもあります!
会場:映画美学校(渋谷) http://www.eigabigakkou.com/access/
一般 1,700円(一日券)
2015年3月14日(土) 18:00- (17:45開場)
下手大輔
『はなればなれに』 2012年、86分
仕事やプライベートで問題に直面したクロ、英斗、豪の3人は、閉鎖された海辺のホテルでの共同生活を通して、自分の生き方を再認識する。東京に戻ってからの日常は以前とさほど変わらないように見えるが、それぞれ前よりも少しだけ自分の人生に真剣に向き合うようになって……。最小限のセリフと、ワンシーンワンカットを中心とした撮影で、3人の心の距離感をシンプルかつ大胆に描いた青春群像劇。
Profile: 1976年生まれ。『はなればなれに』において、東京国際映画祭、ワルシャワ国際映画祭、メキシコ国際映画祭(ブロンズ・パーム・アワード受賞)、福井映画祭(長編部門審査員特別賞)など9カ国12の国際映画祭に正式招待。2014年ユーロスペースほかにて全国公開。『はなればなれに』ノベライズ小説も出版。
清水俊平
『ふざけるんじゃねえよ』 2014年、41分
“在日が嫌い”な、利き腕の力を失くした在日朝鮮人三世で韓国籍の元プロボクサーのキムは、今日も生活保護費で女を買う。キムに買われた女の櫻は夫からの激しいDVを受けており、主婦売春を繰り返している。櫻の優しさに惹かれるキムと、キムと逢瀬を重ねることで人を愛する感覚を取り戻していく櫻。朝鮮と日本、破滅的な男女が描き殴る、反抗のメロドラマ。
Profile: 1984年生まれ。明治学院大学文学部仏文科卒業後、海運会社勤務を経て、2013年多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科入学。初監督作品『ふざけるんじゃねえよ』を製作し、第26回東京学生映画祭実写部門グランプリ。2014年多摩美術大学中退。同年、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域に入学。現在在学中。
小林達夫
『カントリーガール』 2010年、70分
喫茶店オーナーの「新しい芸術空間をつくろう」という構想に魅せられて、外国人観光客を騙してはお金を稼いでいる京都の高校生のハヤシ。田舎から出て来た舞妓見習いの“カントリーガール”に恋をしたことから、仲間との関係、オーナーとの計画、日常が少しずつゆらぎ始める。佐藤春夫「美しき町」とプライマル・スクリーム「カントリーガール」を着想のベースにした青春映画。
Profile: 1985年生まれ。2007年、『少年と町』が第10回京都国際学生映画祭グランプリを受賞。2010年、長編自主映画『カントリーガール』は、京都・東京で劇場公開されたほか、アンソロジー・フィルム・アーカイブスやパリ日本文化会館でも上映。2015年秋に長編時代劇『合葬』(原作:杉浦日向子)の公開が控えている。
2015年3月15日(日) 18:30- (18:15開場)
池田暁
『山守クリップ工場の辺り』 2013年、99分
山守クリップ工場で働く小暮は横柄な工場長のもとでクリップだけを作り続ける。仕事が終わると同じ定食屋に行き、家に帰り寝る。そんな規則正しい生活を送っていたある日、蝶が窓の外へ逃がしてやる。次の日、見知らぬ女が、さらにその次の日には見知らぬ男が部屋に住みつき始める。小暮は、いつのまにかそんな生活を受け入れていく。非現実的な出来事と一人の男、その周りの人々の変化を描く。
Profile: 1976年生まれ。2007年、長編映画『青い猿』がPFFにて観客賞受賞。2008年、短編『飛ぶ風景』がふかやインディーズフィルムフェスティバルにてグランプリ。2013年の『山守クリップ工場の辺り』で、バンクーバー国際映画祭「ドラゴン&タイガーアワード」、ロッテルダム国際映画祭グランプリを受賞。
柴田祐輔
『ナレーション - 天の導きによって悪魔と戦う選ばれし男 宇宙からやってきた記憶喪失の女』 2014年、17分
『Distance』 2010年、10分
『ナレーション - 天の導きによって悪魔と戦う選ばれし男 宇宙からやってきた記憶喪失の女』
協力:waitingroom
結婚を控えた男女のカップルが撮影した日常の映像に、突拍子もない設定の物語を二人自身が読み上げるナレーションで付けた作品。愛睦まじい日常の風景が、それぞれの読み上げるナレーションによって大きく意味を変え、現実と隣合わせにある物語の存在を浮かび上がらせる。
『Distance』 協力:waitingroom
ある任意のドラマのワンシーンをストーリーとは全く関係のない物を用い、人形劇のように強引に擬人化して演じる。無理やり背負わそうとされる物語と、それとは全く繋がりの無い物達との関係性を揺さぶる。
Profile: 1980年生まれ。現実世界の曖昧さや不確かさに着目する作品をテーマに、国内外で発表している現代美術アーティスト。2014年個展『BGM』(waitingroom/東京)、2013年個展『ドリブル』(Centro Cultural Borges /アルゼンチン)、2013年「六本木アートナイト2013」でのパフォーマンス『クリーニングディスコ』など。
伊月肇
『籠の中』 2013年、35分
『トビラを開くのは誰?』 2010年、15分
『籠の中』
女は解き放たれ、閉じてゆく……。東京で一人で暮らす英美は、地元が同じ達哉と再会し、体だけの関係を続けてしまう。割り切った関係と思っていたはずが、いつのまにか達哉を強く求めてしまっていた英美。
二人の間に亀裂が入り、英美の心は静かに狂いだす。
『トビラを開くのは誰?』
10歳の少年の光は、母とバスに乗っている。車内で光は退屈しのぎに風船で遊んでいる。
病院に到着した光が見たものは? やりきれない絶望的な少年のゆれる心を幻想的に描く。
Profile: 1980年生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。山下敦弘、塚本晋也、山本政志らの作品にスタッフとして参加。2010年、初長編監督作品『―×―』がローマ国際映画祭など国内外の映画祭に正式招待、2011年に劇場公開。短編『トビラを開くのは誰?』(2011年)が香港国際映画祭をはじめ、国内外で上映され、高い評価を得る。